新規就農で失敗する人の特徴「考えすぎる人」と「反省しない人」の話

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私は農業を生業にしている人、しようとする人を物心ついた時から20年以上見てきました。

成功する人は様々で、豪快な人がいれば慎重な人もいましたし、職人気質な人もいれば私の父のように本当にテキトーな人もいました。

成功する人にはコレ!と言った共通点は見つけられませんでしたが、失敗して農業から撤退していった人はこれから上げる2つのパターンに分けられることに気が付きました。

これから新規就農しようとする人はこれから上げる2つのパターンにハマらないように、注意してください。

・失敗する人の特徴①「考えすぎる人」

農業に限らず、新しいことに挑戦する時はいろんな情報を集めて、シミュレーションしたりして慎重に計画を立てる人が多いと思います。

ただ、これが行き過ぎると「考えるだけでいつまでたっても行動しない」という罠にハマってしまいます。

例えば私の友人にこんな人がいます。

友「今イチゴが儲かるって聞いたんだけど、イチゴ栽培ってどうかな?」

私「観光地周辺とか立地が良ければ観光農園として成功してる事例が結構あるよ。栽培方法も確立されてきてるから情報も手に入りやすいしアリだと思うよ。」

友「なるほど!ちょっと考えてみる!」

~3か月後~

友「今タマネギが熱いって聞いたんだけど!」

私「タマネギの高騰は今だけの一時的なものだよ。稲と組み合わせて大規模にやるならありかもしれないけど・・・」

友「ありがとう!他の作物も検討してみる!」

~さらに3か月後~

友「自分で色々調べるだけじゃわからないから、スクールに通ってみることにしたよ!有機農業で身体に優しい野菜を作るんだ!」

私「・・・そんなよくわからないところにお金を払うなら、小さくても畑を借りて野菜を作ってみたら?」

友「ちょっと考えてみるよ」

こうしてこの友人は100万円弱の入学金と授業料を振り込んで農業系のスクールに入学し、「俺がやりたいのは農業じゃない」と言って就農はしませんでした。

彼の場合は「失敗した」というより、もはや何も始まっていません。

農業に関する情報は数えきれないほど出回っていますが、残念ながら実際に農業を外から見ている就農前の状態では情報の良し悪しを判断することはできません。

小規模でも農地を借りるなり、現場の農家に手伝いに入らせてもらうなり、実際に農業の現場に踏み込んでみないことには実際のことはわかりません。

まずは考えるよりも小さく始めてみましょう!

・失敗する人の特徴②「反省しない人」

「考えすぎる人」とは別で失敗しやすい人の特徴として「反省しない」というものがあります。

色々試してみる行動力は素晴らしいのですが、試してみたことを振り返って分析しないので次に活かせません。

その結果、同じようなことを繰り返すことになるのでいつまでたっても収益が改善せず、資金が尽きて撤退することになります。

数年前、私が共同で農業をやっていた人でこんな人がいました。

友人4人で集まって50aの畑を借りてカボチャを作っていたのですが・・・

友「かぼちゃは手が掛からんけど、その分もうけも少ない!本業しながらやるっていうのも大変だし、もうやめる!」

と言って1年で辞めてしまいました。

実際なぜ儲からなかったかというと、中心になって栽培を始めた友人の一人が本業+農業のストレスでパチンコにハマってしまい、資金を溶かしてしまったのです。

また、素人が初めてやるには面積が大きすぎました。

確かに4人で十分な分け前を確保しようとすると、計算上はそれぐらいの面積は必要だったと思います。

しかし、ノウハウも機械も何もない状態でやるにはあまりにも無謀すぎました。

はじめはもう少し小さい面積から始めて、作業の流れをつかんでから2年目で面積を増やすようにすればよかったと思っています。

とまあ、このように「なぜうまくいかなかったのか」or「なぜうまくいかなかったのか」を後から検証するとそれ自体がノウハウになっていきます。

上記の私たちの事例から考えると、

「1年目から50aはさすがにやりすぎたけど、2年目はみんな作業の流れもわかってきたからもう少し楽になると思う。面積は維持したまま、1年目に負担になった作業をどう分担するか考えよう。」

という反省ができれば、1年でいきなり撤退ということもなかったと思います。

・まとめ

今回は新規就農で失敗する人の特徴として、「考えすぎる人」と「反省しない人」の実例を紹介しました。

私個人としてのおススメは、「撤退可能な範囲でとりあえず小さく始める」。

もしくは大規模で始めたい場合は、「想定している規模の農家で実際に働く」という戦略です。

どちらもまずは実際にやってみてから考える、の繰り返しが安定した農業経営の第一歩なのです。

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