雨が降るとググッと大きくなる雑草たち。
週末ファーマーや兼業農家だけでなく、全農業者にとって雑草管理に取られる時間はバカにできません。
統計によると除草作業に持っていかれる時間は農作業時間の半分以上とも呼ばれています。
除草剤を活用する方法もあるのですが、作物によって使用できないものもありますし、全ての雑草を枯らせるほど万能なわけでもありません。
それに比べてマルチ栽培なら、最初にマルチを貼ってしまえば栽培期間中ほぼずっと雑草を抑えておくことができます。
この記事ではそんなマルチ栽培のメリットとデメリットを解説します。
マルチ栽培のメリット①:圧倒的な雑草抑制効果
マルチ栽培のメリットのひとつは、前述の雑草抑制効果です。
作物が植えてある部分以外の場所に当たる光を遮断するので、雑草にも光が当たらず発芽、生育が抑制されます。
今まで色々な雑草管理法(複数の除草剤の組合せ、刈った雑草を敷き詰めるなど)を試してきましたが、黒マルチに優るものはありませんでした。
マルチ栽培のメリット②:保温・保湿効果
マルチ栽培のメリットとしてもうひとつ挙げられるのが、保温・保湿効果です。
暑い時期は土が乾燥しやすく、頻繁に水やりをする必要があります。
また寒い時期は地温が上がらず、作物の生育が遅れがちになります。
これらの問題も、マルチ栽培なら一気に解決です。
マルチで覆っているので暑い時期でも水分は蒸発しづらく、寒い時期でも地温を保ってくれます。
これにより作物の生育が安定し、予期せぬ乾燥や寒波でも安定した収穫が期待できます。
マルチ栽培のメリット③:病気の予防
野菜の病気の多くは土の中に隠れていて、雨の跳ね返りなどで作物の葉っぱに取り付くことで感染が始まります。
マルチをかけることで雨による土の跳ね返りを防止し、病気の感染を抑制することができます。
これにより農薬の使用量を減らせることができるのです。
マルチの選び方
マルチには色々な種類があり、目的によって使い分けます。
①黒マルチ
黒マルチは最も一般的なマルチで、ホームセンターなどに売っているのもほとんどが黒マルチです。
保温・保湿効果、遮光による雑草抑制効果といったマルチの基本性能を満たしています。
流通量が多いので、サイズ違いや穴あきタイプなど、自分に合った物を選べるのも魅力です。
②透明マルチ
黒マルチの次によく見かけるのが、この透明タイプのマルチです。
太陽光を通すので地温を上げやすく、太陽熱による雑草種子や病害虫の消毒も可能です。
ただし、光を遮断しないので雑草の抑制効果は低くなります。
③シルバーマルチ
銀色で太陽光を反射するマルチです。
太陽光を強く反射するので、アザミウマやアブラムシなどの光を嫌う害虫の飛来を抑制します。
地面に当たる太陽光を遮断するので、雑草を抑制する効果も高いです。
マルチ栽培のデメリット
逆にマルチ栽培には以下のデメリットもあります。
マルチ栽培のデメリット①
「設置に手間がかかる」
マルチ栽培の最大のデメリットは張るのに手間がかかる事です。
特に慣れないうちは真っ直ぐピンと張るのが難しく、僕もずいぶん苦労しました。
しかし何畝か張ってるうちに慣れてきて、そこそこ綺麗に張れるようになってきます。
それに見た目は不恰好でも、風で飛びさえしなければマルチのメリットは享受できます。
なので初めはマルチ留めのピンを深くしっかりと差し込むように意識しましょう。
マルチ栽培のデメリット②
「直播野菜の栽培が難しい」
園芸の本やネットでもあまり書かれていませんが、僕の体感ではマルチ栽培では直播野菜の栽培の難易度が上がります。
僕は2年間夏野菜と秋冬野菜の計4作マルチ栽培で直播野菜に挑戦しましたが、一度もうまくいきませんでした…
雑草同様、光が遮られて上手く発芽しないのか、それとも湿度が高すぎてダンゴムシなどの分解者に食べられてしまっているのか、何が原因かはわかりませんが、直播野菜は芽が出ずことごとく失敗しています。
今後もマルチ栽培で直播野菜の栽培を続けていく予定なので、うまくいく方法がわかればお知らせします。
マルチの貼り方
①畝をできるだけ平らにする。
②マルチの端をしっかりと抑える。
③ゆっくりとマルチピンで止めながら貼る。
以上の3つを守るだけで、とりあえず栽培可能になると思います。
後は何回もマルチを貼っていれば慣れてくるので、自然とうまくなります。
まさに習うより慣れろです。
プロ農家さんだとマルチは土に埋めて固定されますが、初心者はまずはマルチピンを使いましょう。
まとめ
とにもかくにも、まずはマルチを買って貼ってみましょう。
特に今まで雑草に悩まされていた方は、驚くほど楽になることを実感できると思います。
余った時間で素敵な時間を過ごしましょう。
